山曜日は山へ行こう!
森の奥もののけ姫の住むような大幡池の美しさなり
期 日 平成18年5月21日 晴れ 標 高 1352.5m めあて 大幡山のミヤマキリシマと大幡池を体感する。 登山口 高千穂河原駐車場 時 間 登山口−60分−中岳山頂−45分−新燃岳山頂−30分−獅子戸岳新燃岳分岐−45分−大幡山入り口ピーク−30分−大幡山−30分−大幡池 下山 大幡池−3時間45分−高千穂河原駐車場 鹿児島からのアクセス 鹿児島市−国道10号線−霧島市−県道60号−霧島神宮−国道223号線−
県道480号線−高千穂河原温 泉 神の湯(霧島市)
霧島連山の花情報が新聞でも報道された。
ミヤマキリシマの大群生の見られる大幡山をめざし,今日はまだ行っていない大幡池まで行くことにした。
高千穂河原は,車で満杯の状態である。 県外ナンバーの車も多く見られ,あちこちで登山者が準備中である。
高千穂峰に向かう人,中岳に向かう人,明るく楽しい風景が広がって我々も意欲満々。
まず,中岳へ。
ミヤマキリシマが咲き始め,薄い雲の広がる空を彩っている。 中腹以上は,つぼみが多く,山頂はまだまだつぼみが固い。
続いて,新燃岳へ。
縦走の人も結構多くて,火口ふち登山道は,あちこちでグループが列を作っている。
エメラルドグリーンの火口湖は今日も変らず美しい。 前回,縦走のときは,硫黄のにおいがかなりしていたが,今日は,そんなに感じなかった。 夜に火山情報を見たら,新燃岳,高千穂のお鉢も共に危険レベルがおろされ,2から1になっていた。
大幡山へ
獅子戸岳を回り込むようにしてほぼ平坦な登山道の歩きである。
ミツバツツジも少し花が残っている。 やがて,ミヤマキリシマの大群生地である。 登山道にはみ出し,胸の辺り,顔の辺りまでの大株ミヤマキリシマは,登山道をふさぐかのようである。
花は,五分咲きぐらいで,花の香りの中を掻き分けるように進む。 アサキマダラ,カラスアゲハ,アオスジアゲハ等の大型の蝶が乱舞していた。
気分はなんともいえず幸せ感一杯である。
多くの登山者はあちこちに分散したようであるが,大幡山への登山者も意外に多く,連山全てが360度の大パノラマの中に納まるピークもいくつかのグループがあり,山の説明や楽しい談笑が聞こえたり,お弁当の時間を過ごしている人々もあった。
行きかう人々の中には,宮崎方面の登山道を使って大幡池,または,ひなもり台,ひなもり岳からのグループもあった。
大幡池へ
大幡山山頂をさらに進むと,大幡池展望所に突き当たり,突然大きなブルーの湖が眼下に広がる。 右下へ道標に従って進む。
昨年,ミヤマキリシマの時期にここまで来たが,霧が深く湖も見る事が出来なかった。 森の中,火口湖の深く澄んだ湖水・・・・・なかなか素晴らしい展望である。
ここから大幡池までのコースは初めてである。 変化に富んだコースである。
下りは一旦火口周辺の平坦地までさっと下り横歩き(平坦地歩き)になる。 これが素晴らしい。
スズタケを過ぎると,徐々に青空になった空から高い樹木を通して陽射し一杯の登山道,地面はまるで芝生のような若い草が一面しき詰められている。 まるで,整備された広い広い公園の中を歩いているようだった。
高い樹木の中にはもみじやかえでも一杯。 秋はきれいだろうなあ。 アニメに出てくるような明るい森をしばらくルンルン気分で歩くと・・・・・一転・・・池までの沢下りコース登山道に入る。
雨水が一気に流れて侵食された所を下るのである。 つかまる枝はないし,ごろごろ石で足場は危ないし,時には,緑のコケを付けた古い倒木が道をふさいでいる。
展望所から見たあの池は,こんなに遠いのか・・・・。
これは,登山道なのか?
不安になって周りを良く見ると確かに古いが赤いテープがある。
「間違いない」
辛抱強く下り続けると,一人の男性登山者と出逢った。
「大幡池への下りはここだけですか?」
「そうです。 他にもあるが,そこまでは,やぶを掻き分け掻き分けいかなくてはなりません。」
との事だった。
やはり,ここは正規の登山道だったのだ。
「池だー」
沢を下りきるとすぐに池の水辺である。 ゆらゆら揺れる湖面に手を伸ばすと澄み切った冷たさが心地よい。
先着の二つのグループが昼食をとっていた。
我々も,水辺のあきスペースに,席を作りランチタイムとした。 静かで大きな湖の向こう岸にもいくつかのグループが見える。 目を下に向けると,緑のコケや,小さな小さないスミレがかわいらしく花を咲かしている。
風に水面がゆらゆら揺れて,海でないのに,ゆれて動いている。
これは,池の鼓動か。
アニメで見たもののけ姫の森が浮かんできた。 アニメの続き・・・・・,平和になった森で,沢を駆け登り駆け下り,明るい絵のような登山道を,いのししや白いオオカミ,大鹿たちと話しながら散歩しているのだろうか。
多少ぬるいコーヒーと,湖の豊かな水の気流で,体の内も外も水分をたっぷりとって下山とする。